Archive2020年12月 1/4
兵器産業が復活する①
田原 いま、僕が心配しているのは、抑止力としての核を持つべきだという意見が日本でもそのうちに出てくるだろうということです。佐高 アメリカから武器を買うために、日本での武器製造をやめさせたりしてきたけれど、原発とかで儲からなくなると、核を持とうという動きに連動して兵器産業が復活する。日立にしろ三菱重工にしろ、原発がだめになったら、他に巨額プロジェクトは戦争経済しかないでしょう。田原 僕が何度でも立ち戻...
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西村京太郎の特攻隊秘話②
佐高 最近、トラベルミステリーの西村京太郎さんと『俳句界』で対談して、湯河原まで行ってきたんです。西村さんはもうミステリーは書きたくなくて、戦争のことを書いておきたいと言う。 昭和5年生まれです。幼年学校に入ったと。私はそのあたりのことを知らなかったんでびっくりしたんだけど、旦那が特攻機に乗っていこうとしたときに、滑走路に寝そべって止めようとした奥さんがいたそうなんです。西村さんは2人知っているという...
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西村京太郎の特攻隊秘話①
田原 いまから20年前に、キッシンジャーとゴルバチョフと中曽根康弘と、東京でシンポジウムをやった。僕が司会でした。当時は小泉内閣だった。 そこで中曽根が「そろそろ日本も憲法改正したい」と言い出した。僕はキッシンジャーに「どう思う?」と訊いた。キッシンジャーはしばらく考えて、「自分は反対だ」と。「なんでだ?」「いまの憲法だからこそ、アジアの国々もヨーロッパも自分たちも、安心して日本と付き合える。もし憲法...
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後藤田正晴が敷いた小選挙区制への道②
佐高 田原さんは後藤田から口説いたわけですが、後藤田の上には伊東正義がいたわけでしょう。あの人格者コンビに皆が騙されていったんです。岸井もそう言っていました。 小選挙区制をいま振り返ってどう思われますか?田原 失敗だったと思う。だって完全にいま、自民党は安倍のイエスマンになってしまった。これは小選挙区制の力学が大きい。佐高 後藤田というのは面白い人ですか?田原 もちろん面白い。徹底してハト派だしね。佐...
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後藤田正晴が敷いた小選挙区制への道①
田原 朝堂院はいま何をしているの?いま、いくつぐらいだっけ?佐高 私より5つ上ですから、来年80歳くらい。元気です。お祖父ちゃんが松下幸之助と一緒に乾電池をつくっていて、「松下幸之助は最大の詐欺師だ」と言っています。 面白いと思ったのが、陽と陰で人間を分ける。陰はだめだと。私は陽のほうに分類されるみたいです。猪瀬直樹は陰で、「あいつとは口を利きたくない」とか言う。新右翼の木村三浩の結婚式で猪瀬と同じテー...
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「最後の黒幕」朝堂院大覚②
田原 そう、それで九段会館で、右翼200団体VS僕で徹底討論をやった。佐高 そうでしたよね。 朝堂院は不思議な男ですが、彼は2020年のオリンピックはやれないと言うんです。田原 なんで?佐高 国際的に閉塞状況になってできなくなると断言するんです。それで朝堂院は、反安部なんですよ。田原 え、反安部なの?佐高 戦争をしちゃだめだと。彼は後藤田正晴の資金的スポンサーであったわけだけれど、考え方も意外と後藤田と一体化して...
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「最後の黒幕」朝堂院大覚①
田原 要するに村山が辞めたときに社会党がなくなったのよ。 それで民主党ができて、辻元清美や福島瑞穂などの、ごく少数が生き残った。佐高 あのときの自社さ政権は、つまり自民党が社会党左派とくっついた。そこは面白いところですよね。歴史的には、ここから生まれた村山談話は重要な遺産だと思いますが。田原 うん。あれはいまだに振り返られるべきです。いまの日韓関係を見ても、歴史の教訓から学ぼうという意志は社会全体から...
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梶山静六と菅義偉の決定的な違い②
佐高 梶山は反戦の意志が強固にあり、憲法への思いも深かったですが、菅はまったく違う。松田賢弥の『影の権力者 内閣官房長官菅義偉』によると、そこは菅自身も梶山と違うとこだと認識しているようですね。 田原さんは村山富市には会っているんですか?田原 1回だけ。佐高 印象は?田原 正直な人物だとは思うけど、結局、社会党を潰したよね。 村山は絶対に総理大臣にはなりたくなかった。自分が総理大臣になったら社会党が潰れる...
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梶山静六と菅義偉の決定的な違い①
佐高 田原さんは、野中のライバルでもあった梶山静六には会いましたか?田原 会いました。いい人ですよ。曾祖父の弟に当たる人が、尊王攘夷の過激派だった水戸の天狗党でね、捉えられて死ぬわけです。佐高 梶山も信念を持っていましたよね。 でも政治家同士の関係は難しい。一緒にやっていた野中と梶山も、最後はすごい争いでしょう。田原 梶山も最後は首相になりたかったんだよ。佐高 そこが野中との違いですか?田原 そう、違う...
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野中広務の鬼気迫る「反差別」②
佐高「野中さん、ご家族の気持ちはわかる気もするけど、あそこまで言われたことの社会的な意義は大きいんだから」と。 でもすごいですよね、「差別を許さない、差別されている側からの政治を目指す」というあの構え方は。 橋下徹が最初に大阪市長選に出ますでしょう。あのとき現職が平松邦夫というアナウンサー出身の人で、対橋下の選挙応援で私は野中さんと同じ車に乗りました。そのときの気合は鬼気迫るものがあった。「俺の遺言...
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