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Archive2021年11月 1/3

計画潰しにはモサドも関わっていた②

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この政策は一体誰がつくったのかどこにも明示されていないが、結局はワシントンから来たものである。こうして肝心なところに破壊工作要員を送り込み、技術開発を妨害するのだ。これはカナダの連邦や州議会の議事録で証明されていることである。 さらに一九八〇年代、ブライアン・マルルーニーが首相になると、カナダはもう一度やろうとした。彼の奥さんがセルビア系の人だったこともあって、テラスの偉大さを認めており、無線配電...

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計画潰しにはモサドも関わっていた①

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あきらめきれないカーター議員は、地元のニューファンドランド州でもう一回無線送電をやろうとした。ところが、今度は州政府がブロックにかかった。ずっと後になって州の官僚が彼に暴露したのは、「北米エネルギー政策」に反するから、封印しなければならなかったという事情だ。「北米エネルギー政策」とは、最初は石油、ガス、石炭、そして原子力、最後に衛星からの電気を使うというふうに、エネルギー源の順番を定めたものだった...

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カナダに対する国際金融資本と電力産業の妨害⑤

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ただし、カーター上院議員は納得しなかった。計画の中止に関わった科学技術省の担当官とデビッド・ピートを委員会に呼び、「何でこんなでたらめな忠告をしたのか」「何でそんな報告を真に受けたのか」と問い詰めた。すると「そういう命令をされたから」とついに白状した。 このデビッド・ピートという男は、アメリカの石油メジャーの手先で、背後に国際金融資本勢力が控えていたのである。...

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カナダに対する国際金融資本と電力産業の妨害④

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妨害はこれにとどまらなかった。トルドー首相が乗り気になって、科学技術者に電気の無線発信についての調査を依頼した。すると当時著名であった科学ライター、デビッド・ピートが難癖をつけた。「電気を飛ばせるというのは物理学の法則に反することで、あり得ない。テスラの時代は電気の仕組みがまだわかっていない時代で、彼は誤解していたのだ」と、まったくでたらめな手紙を政府に送りつけたのである。 その忠告を受けた科学技...

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カナダに対する国際金融資本と電力産業の妨害③

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トルドー首相を説得するため、アーセル・マチウスという技術者にも協力を頼んだ。マチウスはテスラと一緒に働いた最後の技術者で、一九二八年から一九三三年の送電実験にも立ち会った人物である。彼の指導を仰ぎながら、オンタリオ州ティミンズの鉱山跡地を利用して地中に金属を入れ、そこから電気を取る実験をしようとした。テスラの考えた発電原理を使って、だ。ところがカナダの電力会社の幹部がこの話を聞きつけ、一切の電気供...

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カナダに対する国際金融資本と電力産業の妨害②

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ちなみに、わたしが子どものころ、カナダの貨幣は全部銀だった。それがだんだんと別の金属を使った安っぽいものに替わっていった。アメリカは一九一三年に連銀が乗っ取られたが、カナダは一九七〇年代に国際的な金貸しに呑み込まれた。 外国資本に依存する大規模な水力発電施設をつくれば、国の自由が損なわれるのは見えていた。そこでカーター議員は、代替エネルギーの開発に期待をかけた。「世界新エネルギー協会」というクリー...

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カナダに対する国際金融資本と電力産業の妨害①

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アメリカは、国際的な金貸しに永遠に利子を支払う羽目に陥っている。意外に知られていないことだが、当時のカナダは違った。米国のFRB(連邦準備制度理事会)が私的な銀行組織なのに対し、カナダでは政府が中央銀行を所有していた。だから、資金が必要なとき、政府は自分でお金をつくってそれを使うことができた。 このため、一九二〇年代の世界恐慌のときもその影響を二年で収束させることができたし、ヒトラーと闘うための戦費や公...

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70年代のカナダで実施された無線配電への挑戦③

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しかし、テスラの無線方式を使えば、これらの問題がいっぺんに解決する。夜間余った電力を、昼の時間になっている地域に発信すればいいからである。いつ起こるかわからない送信上の障害に備えて、人員を揃えておく必要もない。技術者も突然の呼び出しに生活を翻弄される不安から解放される。 そこで上院議員のチェスリー・カーターという男が、テスラの技術で電気を発信しようと首相に提案した。ただし、カーター議員はエネルギー...

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70年代のカナダで実施された無線配電への挑戦②

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広い国土を持つカナダは、同じ国内でありながら東西では半日ほどの時差がある。東端のケベック州ではすっかり夜になっているのに、西端のブリティッシュコロンビア州では、まだ日中で人々が働いている。発電所がいつも抱える問題は、夜、電気を起こしても売る先がないことである。水力発電の場合はとめるわけにはいかない。せっかく費用をかけてエネルギーに変換しても、放電するしかなかった。そのくせ、昼間は事業所を中心に莫大...

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70年代のカナダで実施された無線配電への挑戦①

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わたしは帰化しているので今は日本国民だが、生まれ育ったのはカナダである。無線で電気を飛ばそうとするテラスの構想は米国では幻に終わったが、ずっと後になってカナダで実現しようと気運が高まったことがある。まだわたしが小さいころだが、おぼろげな記憶もあるので紹介したい。 動きがあったのは一九七六年、ピエール・エリオット・トルドー首相のとき。第一次オイルショックを受け、カナダでは石油メジャーを頼らずに自力で...

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