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株価の「史上最高値」にだまされるな!④

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mistoshi
各銀行は「黙ってお金を取られるくらいなら」と、民間企業への融資を積極的に行なうようになる。それより民間企業が新しい事業を始めるようになるので、経済全体が活発になるというのが、この政策の表向きの狙いだ。
しかし実際にはそうなっていない。賃金は上がらない。年金は事実上破綻している。物価だけが上昇している。そんな中で若者が夢や将来設計を描くことなどできるわけもなく、結婚もできない、子供を持つこともできない人たちで溢れかえっている。かといって高齢者は安泰なのかというと、そうでもない。年金切り逃げ世代といわれる彼らも、受給開始年齢の引き上げや受給額の引き下げによって、定年になっても現役を引退することができず、老体に鞭打って再び仕事を探す羽目になっている。病気になって働けなくなったらもう終わりだ。国から生活保護を受けられているうちはまだいいが、これもいずれ財源の枯渇で縮小されていくだろう。貯蓄も資産形成もできていない今の若者層が、20年から30年後、この年代になったとき、街は貧困老人で溢れかえることになる。
マイナス金利政策では結局、目的としていた民間企業への融資は増えなかった。民間銀行は中央銀行から引き上げたお金を融資に回さずに、やはりと言うべきか、株式市場や債券市場に回してしまった。そのため、資金を欲している中小企業はより苦しくなり、実体経済の活性化にはつながらなかった。ここでも儲かったのは、一部の既得権益者だけである。政策の実施前からそんなシナリオも予想していたが、中央銀行が非を認めるはずもなく、今なおその愚策を続行する始末だ。
前述の年金危機も、最たる原因は中央銀行が推し進める低金利政策にある。金利が低くなったことで年金基金は予定していた運用益を得られなくなってしまい、積み立て計画が破綻しているのだ。実体経済の回復による健全な株価上昇であればこうはならないが、机上の空論を頼りに人為的な株価操作をしても、必ずどこかにほころびが生じることはわかりきっている。それがやがて、取り返しのつかない国家の破綻劇につながるのだ。
本書では、金融のトピックに関してこの後も取り上げていく。金融というものは、人類がこの先の世界をどうするか、つまり「戦争をするのか平和的に進めるか」を決める際の心理的プロセスに大きく関わってくる。米中の戦いも、金融覇権競争の成り行き次第で戦争か、平和的解決かが決まるといっていいだろう。
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